世界は1つではないから
「きっと明日になれば迎えがくるよ」
昨日も、今日も、なんなら1ヶ月以上前からずっと信じていた
信じて待ち続けたけど日々は通り過ぎていく ゆっくりと、でも確実に迫ってくる期日に向けて
ずっとずっと寂しかった
孤独で出来た隙間を誰かで埋めて、出来合わせで埋めた隙間だから結局また穴が空いてしまって、そしたらまた誰かで埋める繰り返し
ツギハギだらけで作ったモノは「誰かと誰かの残像」であって「自分」とは到底呼べなかった
自分が存在しないことにすら気付かないほどそれは当たり前で、愛する人の色に染まる自分が嫌いではなかった
「誰か」がいないと「わたし」は創れない それは拠り所でもあり、隠れ蓑でもあった
わたしは「わたし」を造るのがとてもうまい
みんなの好きそうな「わたし」を意図的に造って、人間性を褒められる やっぱりという感想しか出てこない、当たり前だ、これは自分であって自分ではない
自分ではない自分を褒められたところで何とも思わない どうせ本当のわたしを見ることのない人たちだ、こうやってされると好かれるんでしょというのをもう分かってしまっている
”誰とでも仲良くなれる人は誰にも心を開かない”
本当のわたしを見せることで、わたしの事を嫌いになる人が増えるなら一生隠し通す
この世のすべての人に好かれたい 卒業以来会ってない人にも、わたしが嫌いな人にも、元彼にですら。
わたしはわがままだ。誰にも嫌われたくないから、傷つきたくないから いつしか本当のわたしを隠してしまった
本当のわたしから偽りの「わたし」に変わったのはいつだっけ、心を読まれたくないから前髪を下ろしたのはいつだっけ、毎日泣いてたのは、いつの間にか泣くこともやめてしまったのはいつだっけ、
わたしはわたしが嫌いだ、でも「わたし」の事は嫌いじゃない、なりたい自分を具現化したものだ、顔とかどうにもならないモノを除けば理想の自分だ
だから本当のわたしを見せたとき、見せて振られるとき、心から自分を拒絶された気がして人一倍傷つく
結局彼らは「わたし」にしか興味がなく、ありのままのわたしを見て裏切られた気分になっている
そう、わたしが彼らに裏切られるように、彼らもまた、わたしに裏切られているから
わたしもまた、嫌われたくなくて「わたし」を隠す繰り返し。何回同じことを続けているんだろう。
信じるからいけない、この人にはわたしの全てを知ってほしいと思ってしまうからいけない、信頼しなければ、心から愛さなければ、「わたし」が笑顔を絶やさなければ、誰も傷つかない
あんなに深く愛した人に捨てられてしまってからのわたしは 毎日自暴自棄でただひたすら死にたい以外の感情がなかった
どうしようもなくなってしまった頃、拠り所を見つけた 毎日楽しくて生きたいなと思った 会社に行くのが楽しみになった でも恋愛は考えていなかった 好かれてると気付いたとき、こわかった 人を愛する感情を失くしていたから、また裏切られると思った
押される形で付き合うことになって、でもやっぱり3ヶ月くらいはずっと心から大好きと言えなかった、ひょんなことから心を許した、それからは本当の好きを手に入れた、それは楽しくもあったし、辛い日々の始まりでもあった
大好きだからこわかった、離れていくイメージが鮮明で、前のトラウマを払拭しきれなかった
比べることは良くないと思いつつも、裏切られた経験から、わたしは多くのことを恐れるようになった
会う時間が多ければ多いほど良かった、愛されていることを実感したかった、連絡がないと不安になった、異性のいるお店に行くと嫉妬した、わたしだけの彼でいてほしかったから多くのことに口出しした、自分に興味がなくなってしまうのが怖かった
自分の恐怖心に他人を巻き込んでしまった。今思えばなんて窮屈な思いをさせてしまったんだろう。
自分と付き合うことで相手の行動が制限されることを昔から嫌がっていたのに、いつの間にかそんな嫌な自分に成り下がっていた
わたしは変わるし、もう逃げない。前を向くために。